NHKスペシャル「1兆円を託された男」 を見ました。
1980年代後半日本が世界の半導体業界のトップに立ち、マーケットを席巻していました。2025年現在、世界の半導体業界の地図は、大きく変わってしまいました。この間に何があったかの詳細を伝えるドキュメンタリー番組です。このような状況になったのは、政府が日本の半導体メーカを支援していなかったのと、大手半導体メーカーも目指す方向を間違えてしまったのが原因です。
1989年には、上位10社の内6社が日本のメーカーでしたが、2024年には、上位10社に日本のメーカーは、1社も入っていません。くやしいことに日本の半導体製造技術は、海外メーカーと比較して20年の遅れをとってしまいました。
半導体メーカーランキング(1989年)
- NEC
- 東芝
- 日立
- モトローラ
- TI
- 富士通
- 三菱
- インテル
- 松下
- フィリップス
半導体メーカーランキング(2024年)
- エヌビディア
- TSMC
- サムスン
- インテル
- SKハイニックス
- クアルコム
- ブロードコム
- マイクロン
- AMD
- Media Tec
そこでかつて大手半導体メーカー日立に勤めていたレジェンド小池淳義(73才)がリーダーシップを取り、彼のビジョンである2ナノ世代半導体を世界一速く製造するメーカーを作ることを実現するために日本政府から1兆円の支援を受け、創設した会社がラピダス(900名)である。凋落した日本の半導体業界から一旦離脱した優秀な技術者を改めて集結した会社である。
現在の半導体業界は、開発・設計を手掛けるファブレス(エヌビディア・インテル等)と生産をになうファウンドリ(TSMC・サムスン等)に分業化されており。日本は、世界一速く半導体を製造するファウンドリを目指しています。
ファウンドリの巨人TSMCが九州熊本に工場を建設中という日本にとって屈辱的な状況ですが、ラピダスは、今、北海道千歳に生産拠点のIIM(イーム)を建設立ち上げ中です。
ラピダスがJAPAN半導体を復活してくれることを期待します。日本経済復活の一翼をになって欲しいものです。
(進)